住野よる『青くて痛くて脆い』の感想【著者からのメッセージを考察】

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やっほう!小説大好きのテツヤマモト(@okapo192)です。

今回は「住野よるさんの小説『青くて痛くて脆い』を読んだ感想」を共有します。

『君の膵臓を食べたい』の人の他の作品も読んでみたいんですけど、どれがいいですかね…
『青くて痛くて脆い』を読んだけど、ピンとこなかった…。他の人の感想も知りたいです。

こんな方を想定して記事を書いていきますね。

 

『青くて痛くて脆い』は、住野よるさんの第5作目とな1る最新小説作品です。

映画『君の膵臓をたべたい』が大ヒットした後ということもあり、なかなか注目が集まっていた作品でした。

しかし、どうもAmazonなどのレビューを見ていると評価が割れているんですよね…。これは一体?

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僕は『君の膵臓をたべたい』で住野よるさん作品に出会ってから、全作品を読破している大ファンです!

今回の作品も感情をえぐられながら読み進めまして、いやはや、今回も心に突き刺さるメッセージを届けてくれたなって感じです。

なかなか気づきにくいかもしれませんが、終盤にかけて住野よるさんの明確な伝えたいメッセージを感じました。

 

今回は『青くて痛くて脆い』の感想やあらすじを共有していきます。

前半は購入を迷っている方に向けて、後半は住野よるファンの一人として、みなさんと感想を共有できれば嬉しいです。

住野よる『青くて痛くて脆い』のあらすじと概要

ダウンロードのコピー

青くて痛くて脆い』は、2018年3月2日にKADOKAWA(出版社)より発売された、住野よるさん大5作目の小説です。

住野よるさんはデビュー作『君の膵臓をたべたい』が大ヒット&映画化して、若者を中心に人気の小説家さんですね。

現代っ子の繊細な心理描写が得意な作家さんで、登場人物に感情移入させて、心をかき回してくる方です笑

 

本作『青くて痛くて脆い』は、現代の大学生の人間関係を中心にリアルな感情を描いています。

公式サイトより、あらすじはこんな感じ。

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。

空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、けれど誰よりも純粋だった彼女。 秋好の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という秘密結社を結成した。

それから3年。 あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。 僕の心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。

「僕が、秋好が残した嘘を、本当に変える」 それは僕にとって、世間への叛逆を意味していた――。

引用:『青くて痛くて脆い』公式プロモサイト

ざっくりまとめると、大人しい男の子と、自由奔放な女の子が、2人で学生団体をつくって活動を始めます。

しかし、のちに組織を追い出されてしまい、復讐として学生団体をぶっ潰そうと動き出す…というお話です。

 

なかなか物騒なあらすじにも思えますが、あくまでも住野よる作品であり、一般的な大学生を描いた青春小説です。

激しい行動や言動の中にも、今時の若者ならではの自意識の高い心の動きが描かれています。

こんな人にオススメ!

『青くて痛くて脆い』はこんな人にオススメしたいです。

  • 住野よる作品が好きな人
  • 朝井リョウさんの『何者』が好きな人
  • 大学時代に意識の高い「学生団体」や「就活」に違和感を覚えた、もしくは参加していた人
  • 学生生活の中で孤独感を感じている人

特に、就活や学生団体など「意識高い系」を描いた様子は、直木賞を受賞した朝井リョウさんの『何者』に近いものがあります。

僕自身、大学時代に『何者』に読んでぶん殴られた感があったので、この作品も心に響きましたね…。

 

逆にこんな人にはオススメできないかなぁ…。

  • 40代以上の人
  • 友達めっちゃ多いタイプの人
  • 体育会系だったり、就活難なくクリアできちゃう人

少し偏見もありますけど、主人公がウジウジと陰口を叩く内向的なタイプなので、イマイチ作品に共感できない気がします。

自分とは違う人の考え方を知る…と割り切ると面白いのかもしれませんけど笑

 

▼『青くて痛くて脆い』は、こちらから購入できます。僕はKindleの電子書籍で読みました。

住野よる『青くて痛くて脆い』の感想 (注:ネタバレあり)

では、ここから既に完読した方に向けて、感想を共有しますね。

少しネタバレ挟みますので、まだ読んでいない方はご注意くださいませ〜。

①秋吉死亡説の伏線がうまい!

いやーびっくりしました。

序盤でヒロインの秋吉が死んじゃいましたね。

「なんだよいきなり、気持ち悪い」

「人がエモいこと言ったのにひどくない!?」

そうやって笑ったことを、今でも思い出す。

あの時笑った秋好はもうこの世界にいないけど。

およよよ?どうしたどうした?って思いましたよね。

「キミスイ」と同じように、事故とか殺人とか病気とか!?って思いましたけど、結局普通に生きてました。

 

ベタな手法なんですけど、住野よるさんの序盤で伏線用意してくれるのが上手ですよね。

これがあるからこそ、最後まで気になって読んじゃいます。

ファンとしても「してやられた!」って感じです笑

②自分の大学時代を思い出した

読みながら、ずーっと自分の大学時代を懐かしく振り返ってました。

僕自身、デカめの学生サークルの幹部をやっていて、外部の人間がめちゃくちゃうるさかったなーとか…。

逆に意識高いサークルの奴らは本当によくわからなかったなーとか…。

 

▼BBQパーティーのシーンの好きなセリフ。あるあるすぎて笑った。

「そういや、彼女出来たんだろ?」

男達の中の一人が言うと、周囲が一気に盛り上がった。その盛り上がりに群がるように今まで輪の中にいなかった奴らも入ってくる。 大学生という生き物には、自分が盛り上がりの中にいないと不安でしょうがない人種がいて、今日もそういう人達が含まれているよう だった。

あとゼミの先輩が、遠距離恋愛中の後輩を食べちゃうとかもあるあるすぎて笑うと同時に、そっちはムカつきましたね爆

ともあれ、ここまで大学時代を懐かしく思い出させてくれるのも、口調とか言葉遣いが、現代っ子風に書かれてるからなんでしょうね…。

③謝るなんて全て自分のため

住野よる作品では、一文ずつ区切られたポエムっぽい箇所が終盤にあることが多いですよね。

ここで住野よる作品の真骨頂であり、彼が一番書きたい部分だと思ってます。

今回一番好きだったのはここです。

夢想から、解放された。

秋好が、ここに至ってなお、僕を受け入れてくれるはずだという夢想 から。

先ほどまでの自分の必死さが、不思議にすら思え た。

会って、どうする気なのだろう。

何が出来る気でいたのだろう。

傷つけたことを謝りたい、心から自分が悪かったと伝えたい。

伝えてどうなる。

謝るなんて、全て自分のためなのに。

許されたい、もう一度仲良くしてほしい、悪く思わないでほしい。

相手には、なんの得だってありはしない。

そもそも、僕は、許してもらえる気ですらいたのかもしれ ない。

ここに合わせて、大学院の脇坂先輩に助けを求めるものの、「また連絡するよ」とだけ言い残して帰ってしまう様子にも心動かされました。

楓の炎上行為・暴言は、謝って済むものでもないし、即効性のある対処法があるわけでもありません。

ただ、ひたすら自分が傷つくしかないんですよね。

 

個人的に、このシーンを読みながら、自分が失恋したときのことを思い出してました。

謝ればどうにかなるかも?話し合えばどうにかなるかも?とにかく好きだったことをもう1回伝えたい…

全部あなたのためなんだ!という勘違いの上にある、自分勝手な行動でしかないんですよね。

④傷ついて人は強くなる

終盤、クライマックスに関わるシーンで、突然秋吉の高校時代の描写が出てきました。

ん?なんでいきなり?と思いつつ、ここに本作の重要なメッセージが隠れてる気がしました。

「楓の言ってる意味が分かった。いや、怖いよ。批判されるんじゃないかなって、心配してるし。高校生の時は、そこで止まっちゃってたんだよね。だから回路を切り替えたっていうより、ちょっとは成長したのかも」

成長って言葉が、その時の僕にはあまりピンとこなかっ た。

この時点で「成長」にピンときていない楓は、社会人になった最終盤でおそらくその意味に気づいたのでしょう。

「もう二度と、あんなことをしたくない、大切な人を傷つけたくないと思ったことが、仕事においても日常生活においても、僕に大きな影響を与えた学生生活の中での出来事です。僕もまだ少しずつですが、大切な人達を傷つけない、 居場所のような人間になれたらと、気恥ずかしい言い方になるんですが、思っています」

どうにか、始めた話をまとめることが出来た。

話してみて、初めて思ったことがあった。僕はこの話をするために、ここに来たのかもしれなかった。

楓は、自分がやってしまったことで、大いに傷つきました。

しかし、傷ついたからこそ、誠実で優しい青年に成長することができたんです。

 

おそらく秋吉自身も、高校時代に自分の言いたいことが言えなかったり、大学時代に自分を否定されて傷ついてきたのでしょう。

しかしだからこそ少しずつ成長することができた。優しい人間になることができた。

そうやって現実から逃げずにしっかり傷ついて、優しくなれる人が増えますように…。

それが秋吉がモアイで実現したかった「世界平和」なのでしょう。

まとめ

いやー良い作品でした。

久しぶりに住野よる作品を読めて嬉しい、そして久しぶりに自分の内面を見つめられて感動。

自分も登場人物みたいに、成長したいなと思えました。

 

小説のタイトル『青くて痛くて脆い』は、この作品を読んだ僕自身、あなた自身にも言えることです。

青くて痛くて脆いからこそ、雨風に晒されて、傷を追って、その中で成長していかなくちゃいけません。

だからこそ、前を見て、現実から逃げずに、

 

ちゃんと傷つけ。

 

 

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ABOUT

海外ノマド系フリーランス, ブロガー, WEBエンジニア, 24歳。フットワーク軽く生きたくて、新卒でフリーに。その後、海外35カ国を旅しながらノマドワーク。現在は1ヶ月ごとに拠点を変えつつ、旅生活を継続中です。勉強が大好きで年に3回語学留学をします。 

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