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面白ハンター

テツヤマモト。北海道出身の23歳。フリーライターしてます。退職を期に、家無し放浪生活中。11月は札幌→台湾→札幌→上砂川の予定。

【書評】朝井リョウが「何者」で描いた就活生がリアルすぎる

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先日、僕は衝撃的な小説に出会いました。

朝井リョウさんの小説「何者」です。

直木賞を受賞したベストセラー作品なので既に読んでいる人も多いかもしれません。

就活中の大学生を描いた物語です。

 

前半は「就活の時、こんな感じだったな~」と読んでいたのですが、後半にかけてのどんでん返しに感情がジェットコースター状態でした。

現代のSNSを使う若者たちや就活生は必読本ななんじゃないかと思います。

就活のときって自己分析もしますし、自分が「何者」なのかを嫌というほど考えますからね…。

朝井リョウの小説「何者」とは?

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出典:「何者」×朝井リョウ 受賞記念特別インタビュー|新潮社 - YouTube

「何者」の著者は桐島、部活やめるってよでお馴染みの朝井リョウさん。

作風としてはスクールカーストやSNSのやり取りだとか、現代的な若者人間関係に注目したものが多め。

僕は今回紹介する「何者 」と「桐島、部活やめるってよ」を読みましたけど、「この人、人間観察能力高すぎ!」と感心しまくりです。

 

今回紹介する「何者」は2012年に発表されて、直木賞を受賞した朝井リョウさんの代表作です。

あらすじは以下の通り。

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

出典:何者 | 朝井 リョウ | 本 | Amazon.co.jp

いや~、就活中って色んな大学生に出会いますよね。

「学生団体を作りました~」「海外に留学していました~」「インターンしていました~」逆に、「俺は就活なんて興味ないからさ~」と言い出す人もいます。

たぶんどれも鬱陶しく感じるはずです。

 

就活中って自己分析もたくさんするし、周りと自分もたくさん比較します。

だからこそ「自分って特別!」と思わないとやっていけない。

そんな「意識高い系」の大学生、「意識高い系を鬱陶しい」と感じる大学生…。

この両者の心にダメージを与えるのが「何者」という小説なんです。

 

朝井リョウの「何者」が就活生におすすめな理由

  • ※以下、ネタバレあり。

それでは以下、僕が感じた「何者」のおすすめポイントを以下にまとめておきます。

僕は就活なんて関係ない大学4年の2月に、この小説を読みました。

それでも僕の心には風穴があきました。

 

おそらく「自分が何者なのか」について、もっともっと考えている就活生が「何者」を読んだら強烈なダメージと勇気をもらえるのではないかなと思います。

 

①痛々しい印象を与える発言を理解できる

就活中には本当にいろんな大学生を見ると思います。

「留学しました!」「インターンしてました!」「団体を立ち上げました!」「人脈を作りたい!」「仲間に恵まれている!」「就活に意味を見いだせないんだよね!」

 

「何者」を読んでいると、こういった「意識高い」大学生のうっとうしさが嫌というほど伝わってきます。

物語の前半は主人公が意識高い大学生達のtwitterの投稿や発言を「だっさー(笑)」とばっさばっさ切っていくわけです。

RICA KOBAYAKAWA @rika_0927 1時間前
今日もキャリアセンターでES見てもらってから面接の練習。色んな人にアドバイスもらえて、ヤル気アップ! このあとは瑞月たちと集まって就活会議。仲間がいるって心強い! 

「何者」より

どうしても就活中、とくに内定がもらえていない時期は自信無くしがち。

そういうときに限って「自分はすごい!」「自分は個性的だ!」「自分は努力している!」とアピールしたくなっちゃうんですよね。

はたからみるとそれは物凄くうっとうしいのかもしれません。

注意が必要ですね~。

 

②自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない

物語の前半はひたすら「意識高い」大学生を心の中で痛々しく思っているだけ。

しかし、後半にかけて徐々に「意識高い」大学生に対して攻撃を始めます。

「私たちはもう、たったひとり、自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない。一緒に線路の先を見てくれる人はもう、いなくなったんだよ。進路を考えてくれる学校の先生だっていないし、私たちはもう、私たちを産んでくれたときの両親に近い年齢になってる。もう、育ててくれるなんていう考え方ではいられない」

「何者」より

自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない…

「自分は特別」「俺ってすごい」とSNSでアピールしても、自分の人生を肯定してくれる人なんていません。

大学生までは親なり、先生なり、自分を肯定してくれる人がいたかも。

でもここからは自立して、1人で、自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけないのです。

 

自立できていない大学生は、1人が寂しくて、自分を肯定して欲しくて「意識高い」発言をしちゃう。

認めてほしいから、理解してほしいから。

これからは1人で自分の人生を考えなくてはいけません。

あなたは自立できていますか?

 

③ダサい姿で、もがけるやつが最強。

物語の後半のどんでん返しには驚きました。

最終的には「意識高いやつきもいww」と陰で観察している人が一番痛々しい…ということを描いていきます。

「そうやってずっと逃げてれば?カッコ悪い自分と距離を置いた場所で、いつまでも観察者でいれば?いつまでもその痛々しいアカウント名通り【何者】かになった振りでもして、誰かのことを笑ってなよ。就活3年目、4年目になっても、ずっと」

「何者」より

後半にかけてはこの小説の一番のメッセージをびしびし浴びせられている気がしました。

「ダサい姿で、もがけるやつが最強。」

僕が感じたメッセージ。そして就活生に届けたいメッセージ。

 

意識高くても、痛々しく見えても構わない。

行動を起こして、もがいているやつが最強ってことです。

痛々しくても努力しているやつが最強ってことです。

 

「おまえがスーツかよ!」「髪の毛黒くしちゃって~。」

就活中は嫌みったらしい声も聞こえてくるはずです。

だけど「ダサい姿で、もがけるやつが最強」なんですよね。

 

朝井リョウの「何者」は必読本だ!

就活では自信を失うことが多々あると思います。

時には「意識高い」大学生になっちゃうこともあるかも。

評価してほしくて寂しくなっちゃうかも。

 

でも、孤独に立ち向かって「ダサい姿で、もがけるやつが最強」です。

自分が「何者」なのかわからない。現代の若者の考え方を知りたい。

そんな人におすすめの小説ですよ!

【追記 2016/10/17】続編「何様」が発売!

映画化もされえちゃって…。何者人気、止まらないですねぇ。

8月末には「何者」の続編「何様」が発売されたようです。

こちらは何者の登場人物やその周辺の人物が、奥深く描かれているようです。気になる!

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