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面白ハンター

テツヤマモト。北海道出身の23歳。フリーライターしてます。退職を期に、家無し放浪生活中。11月は札幌→台湾→札幌→上砂川の予定。

75歳で木彫作家に!長年の夢を叶えた和田さんの人生

北海道上砂川町編

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上砂川に滞在中のテツヤマモトです。

この町に来てから、町民しか入らない銭湯やスナックに飛び込んでは「おもしろい人とかいません?」って情報収集してます。

そんな中耳にしたのが「フクロウの和田さん」。どうやら木彫りでフクロウを作っている方みたい。気になった僕はアポも取らずに、和田さんの工房を訪ねたのでした。

 

木彫り作家、和田さんを訪ねて。

木彫作家、和田さんの工房のようす。

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アポも取らずに(連絡しようがないんだもの)、見ず知らずの若造が「お話ききたくて」と訪ねるという状況の中、和田さんは僕を快く工房に招き入れてくれました。

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こちら木彫作家の和田さん。今年77歳ということで、23歳の僕からすると完全におじいちゃん世代です。会った瞬間に「こんなおじいちゃんになりたい」という渋さを感じました。

この日和田さんは作業をする気はなくて、飼っている犬にエサをあげに来ただけだったんですけど、親切に話を聞かせてくれました。

▼和田さんの愛犬の柴犬ちゃん。かわええ。ペロペロされる。

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絵描きを目指した少年時代

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和田さんは上砂川出身の上砂川育ち。

自然に囲まれて育ったこともあり、子供の頃から生き物が大好きだったそう。その生き物を何とか形に残そうと、絵やものづくりといった芸術の世界に惹かれていきました。

「絵描きになりたい…。」

少年時代はそんな夢を描いていたそうです。

しかし、時代は終戦後の厳しい時代。その想いは構わず、和田さんは親に出稼ぎを強いられることになりました。「農家に売られて、どうしようもねかった」と和田さんは話します。

 

出稼ぎしながら、生き物や芸術への想いを育む

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それからは長い出稼ぎ生活の日々。

大工に弟子入りし、日本中を飛び回りました。「ゆるくねかったぁ」とつぶやく和田さん。現代とは、比べ物にならないくらい生きることが大変な時代だったんだろうなぁ。

しかし、芸術への想いは揺らぐことがありませんでした。

出稼ぎの仕事が減る時期に、木彫りを独学で開始。なぜ木彫りなのかというと、「金がかからねぇからよ」とのこと。山で拾った木や安い木っ端を買い取って、腕を磨いていきます。

 

厄年の辛い経験が与えた影響

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大きなターニングポイントとなったのが、厄年であった42歳のとき。

和田さんはその頃、一念発起して地元で釣り堀を開業。同時に、キツネ・クマ・クジャク・サルなどを飼育する、動物園のような施設を作ったのでした。

生まれ育った町を大好きな動物がたくさんいる、魅力ある場所にしたかったのです。

▼飼育していたクマと和田さんの息子さん。

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しかしある時、和田さんの施設に大規模な土砂災害が襲いかかりました。

無残にも飼育していた動物たちはほとんどが生き埋めに。さらに借金を作ってしまい、再び出稼ぎを始めることになったのです。

今現在、和田さんが動物を彫り続けているのは、当時死なせてしまった動物たちへの供養の意味も込められているのです。

 

75歳で本格的に木彫り活動を開始

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波乱万丈な人生の中、和田さんが木彫活動に専念し始めたのは75歳、一昨年のこと。

今では週1匹のペースで、動物を彫っています。最も数が多く、人気があるのはフクロウ。「森のカムイ(神様)」とも呼ばれるフクロウに、和田さん自身も強く惹かれています。

作品は上砂川町内の至る所に展示中です。

▼町内の病院で展示される作品。「寂しいから置かせて」と和田さんが提案したそう。

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▼上砂川駐在所玄関のフクロウ。捕まってしまったときに、印象に残りそう(笑)

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生きている動物を彫りたい!

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和田さんの木彫りは完全に独学。

師匠もいなければ、設計図を作ることもありません。手に入れた木を工房に置いて寝かせ、ふとした瞬間に彫る動物の姿が思い浮かび、いっきに形づくっていきます。

中には木を手にしてから、彫るまで2年以上放置することもあるのだとか。

 

お話の中で、僕が最も印象に残ったのは「生きてるものしか、彫らねぇ」という言葉。

和田さんは自分の木彫りをキレイではないと話します。あえて不均等に作ることで、躍動感を持った「生きている」動物を彫るのです。

その作風は広く認められていて、日輝会美術協会の作品展で銀賞を受賞しています。

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制作意欲は衰えるところを知らず、今の目標は「空海のような生きた木彫りを作る」こと。

77歳になっても「まだまだ勉強中だぁ」と話す和田さんはとてもカッコよくて、まさにイキイキと「生きている」ように見えました…。

 

和田さんの作品リストはこちらを参考に。

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