1年前の明日、僕は学生から社会人になった。

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1年前の今日

1年前の今日、僕は住み慣れた街から引越しを済ませて、ソワソワと時を過ごしました。

次の日から、「学生」ではなく「社会人」です。変身するわけではないけれど、自分が何か違う生き物になる気がしました。

本来は期待に胸を膨らませるべき場面なんだろうけど、心は晴れていません。かといって、雨模様でもありませんでした。太陽を覆う、モヤモヤとした雲が漂っていました。

 

1年前の明日

1年前の明日、僕は初めて「出社」します。前日のうちに社内を案内してくれた先輩が、「挨拶は大丈夫?」と声をかけてくれます。

新入社員は僕だけでした。つまりこれから行われる入社式は、僕のためにやります。

朝礼のチャイムが鳴って、ぞろぞろと社員が朝礼室に向かう中、僕は先輩と待機。しばらくして、「じゃ、ヤマモトくん、どうぞ!」と言われて、立ち上がります。

 

慣れないスーツを着た僕は、背筋を伸ばすことを意識しながら、扉を開けて歩き出します。

驚いたのは、60人ほどの先輩社員が、アーチを作って迎え入れてくれたことです。その全員の手から「ようこそ!」と、紙吹雪が舞い散りながら、奥へ進んでいきます。

「なんだこの会社…笑」と思いつつ、選んだ先輩に間違いは無かったと感じました。

 

入社式では、自分の誕生日会かのように、先輩たちの視線を浴び続けました。「一緒にがんばろう!」と何度も声をかけられました。それは紛れもなく自分を奮い立たせました。

最後に僕から挨拶です。

「では、最後にヤマモトくんから、挨拶と決意を一言、お願いします!」

「…はい!」

再度、60人の視線が集まります。少し体が軽くて、床が柔らかい気がしました。

 

「はじめまして。今日からお世話になります、ヤマモトテツと申します!テツの漢字はアイアンじゃなくて、哲学の哲です!!」

ツカミで心を掴みたかったのですが、特に笑いは起きませんでした。どの先輩も真剣に僕の話を聞いてくれています。…続けます。

 

「僕は知り合いが雑誌に掲載されたことをきっかけに、会社に興味を持ちました。その記事を読んだ時、『この雑誌を作りたい!ここで働きたい!』と、ビビッときました。

当時は就職活動に真正面から挑めていなくて、進路に悩んでいました。フリーターになろうとも考えていました。でも、この会社なら…と、僕にとっては希望でした。

その日のうちに連絡を取ると、すぐに試験・面接の日程が決まって、数日後訪ねると、すぐに内定の連絡をいただきました。

『似たものを感じた』と信じてくれた社長に感謝でいっぱいです。ありがとうございます。

僕は学生時代、野球やよさこいの活動、それとブログビジネスに取り組んできました。そこで得た、新しいことに挑戦する力、それと少しの遊び心を武器に、これから先輩方を借りながら、一生懸命頑張ります。よろしくお願いします!」

 

話し終えると、大きな拍手をもらいました。「いいじゃん…」とヒソヒソ声が聞こえたのは、自意識過剰でしょうか。

ともあれ、決意は表明しました。あとはたくさん学んで失敗して、結果を見せるだけ。

心の雲には、少しだけフタをしました。

 

それから5ヶ月後

それから5ヶ月後、僕は同じ時間・場所で、全く違った意味合いの挨拶をしました。

「働く中で起業・独立したい思いが強くなりました」という内容でした。

僕の心の雲は消えませんでした。日に日に大きくなる塊に、もうフタはできませんでした。

あの決意はなんだったのか。嘘だったのか。どうして先輩・会社を裏切るのか…。

自分を責めてしまう僕に、先輩が声をかけてくれました。

 

「自分で決めたんだから、自信持ちな!」

 

やっぱりこの会社が大好きでした。大好きな先輩たちと作る雑誌もまた大好きでした。

でも、それと全く違った箇所で、行き場のないモヤモヤをかかえていました。頭を使っても考えても消えることのない、分厚い雲でした。

 

入社式から1年後、今

入社式から1年後、今、あの時の選択が正しかったのかを考えています。

目標とする先輩は、近くにいません。力を入れるべきプロジェクトも、書くべき記事も、ありません。今は、真っ白い場所に立っています。

劣等感とお金の不安に毎日襲われています。

貯金が尽きたらどうしよう。同世代の働き手に、追いつきようのない差をつけられたらどうしよう。いつか後悔したらどうしよう。

 

「学生」から「社会人」になった僕は、「社会人」から何になったのでしょうか。何にもなれていない気がしました。

 

でも、これだけは言えます。

 

今、僕の心は晴れています。