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面白ハンター

アジア諸国に滞在して、ノマドワークしてる23歳。講演・講師もやってます。札幌市民で北大卒。趣味は投資と読書。4月は台北に滞在します!

住野よる『よるのばけもの』の感想/いじめと化け物がテーマの物語。


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住野よるさんの3作目であり最新刊『よるのばけもの』を読みました!

デビュー作の『君の膵臓をたべたい』、2作目の『また、同じ空を見ていた』と読んで、完全にファンになってます。

これまで2作は「泣ける」作品でしたが、今回は「考えさせられる」作品でしたね…。

 

住野よる『よるのばけもの』

まだ読んでいない方のために、簡単に概要・あらすじを紹介します。

『よるのばけもの』は2016年12月9日に発売された、住野よるさんの3作目の小説です。

『君の膵臓をたべたい』で本屋大賞2位を獲得してから、ヒット連発中の住野さん。今作も発売1ヶ月で重版!絶好調です。

▼詳しいプロフィールはこちら。

 

 

あらすじはこんな感じです。

夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。

ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。

だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて――。

正直、ストーリーは意味不明です笑

主人公が夜になると、化け物になってしまう。その状態で学校に忘れ物を取りに行く。そこでクラスメイトに会う…。

しかし、描かれるテーマは「いじめ」問題。ポップな設定とヘビーな問題が入り混じった不思議な世界観があります。

 

動画もあります。イラストが素敵!

 

以下、ネタバレありです。

『よるのばけもの』を読んだ感想

1.なぜいじめは起こるのかなぁ

読者は、自分の学生時代と照らし合わせつつ、「いじめ」について考えさせられます。

原因はいじめられる側?いじめる側?学校?教育?家庭環境?どこにあるんだろう。

人が傷つく姿を見るなんて嫌に決まってるのに、「仲間意識」が働いて、簡単に自分のルールを作り変えてしまう。

どうしてこうなっちゃうんでしょうね。

 

2.登場人物が見せる、表と裏の顔

登場人物はクラス内の「いじめ」取り囲んで、それぞれ裏の顔を持っています。

特に終盤で矢野さんが呟いた、緑川さん?の裏の姿は、破壊力がありましたね…。

「喧嘩しちゃっ、た元友達が、ひどいことされてて仲直りも出来な、くて、誰に対しても頷くだけしか出来、ない癖に責任を勝手に感、じて本人の代わりに仕返、しをして、る馬鹿なクラスメイ、ト?」

野球部の部室のガラスが割れたり、女子生徒の上靴を捨ててたのは彼女なのかな?

どんな人にも表と裏の顔がある。

思春期の中学生が生々しく表現されてますけど、実世界の大人も同じですよね?

 

3.どちらも「私」と話す矢野さん

そんな中、昼と夜で違う表情を見せる矢野さんは「表と裏なんて無い」と言います。

「私はどっちもな、いよ。どっちもな、い、昼も夜、も別にない。私はなん、にも違、くない。周りが違、うだけ。周りの時、間や人や物や雰囲、気が違、うだけで、私は昼も夜も一、緒。どっちも何、もない」

矢野さんはどんなにいじめられても、素直に「どちらも自分」と受け入れています。

誰だって「嫌いな自分」がいて、認めたくないこともあります。でも結局、紛れもなく自分自身なんですよね。

 

4.「ばけもの」とは何なのか?

読み終わった頃に、ようやく「ばけもの」の正体が何なのかわかってきました。

夜の、矢野さんを無視できない僕も。昼の、皆から嫌われたくない俺も。  

どっちも良い奴なんかじゃない。だから、君を助けることなんて出来ない。  

でも、君の声を受け止めて返すくらいのことは。どっちも、俺で、僕だ。

矢野さんのように自分の嫌いな部分を受け入れず、表と裏の顔を分けて考えること行為が「ばけもの」の正体なのでしょう。

「昼の姿と夜の姿、どっちが本、当?」

最終的に、クラスの目線を気にせず、嫌いな自分と素直に向き合った主人公に、矢野さんは「やっと、会えたね」と声をかけました。

人間の姿をして周りに合わせる「俺」、ばけものの「僕」、どちらも受け入れ難いけど、本当の自分の姿と認められたんですね。

 

5.『よる』に込められた意味

最後に、著者のツイートを引用します。

 『よるのばけもの』は、『よる』とひらがなで表記されていることからも、住野さん自身が抱える「化け物」について物語にしたんだと思うんですよね。

そして、その化け物は多かれ少なかれ、誰の心にだっていると思います。僕も素直に受け入れたくない嫌な自分いますもん。

 

まずは前作を読んでほしい!

もし住野よる作品に触れていないのであれば、『よるのばけもの』を読む前に、先に発売された2作を読むことをおすすめします。

1作目、2作目の素敵な物語を作る作者、その作者の原点的な感情…と読み進めると、深みが増しますよ!

 

シリアスなのに、どこかポップ。

住野よるさん、ますます好きになりました。

 

▼デビュー作。本屋大賞で2位獲得!病気のヒロインと内気な主人公のお話。

▼2作目。小学生の女の子が、様々な女性に生きるヒントをもらいながら成長します。