面白ハンター

アジア諸国に滞在して、ノマドワークしてる23歳。講演・講師もやってます。札幌市民で北大卒。趣味は投資と読書。4月は台北に滞在します!

住野よる『また同じ夢を見ていた』のレビュー&解説。「幸せとは何か」を考えさせられる物語。


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住野よるさんの『また同じ夢を見ていた』の読書レビューです。

前回、デビュー作の『君の膵臓をたべたい』を読んで、完全に著者のファンになりました。

2作目の『また同じ夢を見ていた』は1作目とは違ったテイスト。作品にのめり込むというよりは、自分を見つめ直されました。

 

『また同じ夢を見ていた』とは?

2016年2月発売の住野よるさんの小説。

▼詳しいプロフィールはこちら

デビュー作の『君の膵臓をたべたい』は2016年の本屋大賞で2位を獲得し、60万部を売り上げる大ヒット作となりました。

今作も20万部を売り上げていて絶好調!

 

あらすじはこんな感じ。

友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。

彼女たちの“幸せ"は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語。

主人公は小学生の女の子。

国語の授業で課された「幸せとは何か?」の答えを見つけるために、3人の女性の元を訪ねてヒントをもらっていくお話。

後半にかけて、3人が呟く「また、同じ夢を見ていた」の意味がわかります。

 

以下ネタバレありです。

【解説】3人の女性と主人公の関係は?

この作品を読んでると、3人の女性と主人公の関係、時系列がこんがらがりますよね。

何度か読み返して整理しました。

 

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総じて、3回のターニングポイントで、間違った選択をしてしまった未来の菜ノ花が、小学生の菜ノ花にアドバイスして、幸せな人生へと導いてくれるってわけですね。

結果的に、エンディングで登場した幸せな菜ノ花へと成長できたんです。

 

1.南さんは両親の謝れなかった主人公の未来

エンディングで飛行機墜落が判明しました。

つまり、両親と仲直りできなかった場合、菜ノ花は南さんのようにリストカットを繰り返す孤児となっていたのです。

「私みたいに、喧嘩したままもう会えないなんてことになってほしくない」

南さんに諭され両親と向き合うことで、両親は亡くならずに済みました。

 

2.アバズレさんは人との関わりを遮断した主人公の未来

クラスで省かれ、人と関わることを一切辞めようと決断した菜ノ花は、アバズレさんのようになっていたのでしょう。

「やっぱり、お嬢ちゃん。誰とも関わらないなんて、駄目なんだ。人と関われば、こういう素敵な出会いがある。」

アバズレさんに諭されて桐生くんの元をもう一度訪ねることで、人と関わる一人ぼっちではない人生を選択できたんですね。

 

3.おばあちゃんは桐生くんと関係修復できなかった主人公の未来

桐生くんと向き合えたものの、上手く関係修復できなかった菜ノ花がおばあちゃんです。

「大好きなことに一生懸命になれる人だけが、本当に素敵なものを作れるんだよ」

「絵描きっていうのは、凄く繊細な人達なんだ」

 とおばあちゃんが伝えていたことで、菜ノ花は桐生くんの気持ちを理解できました。

 

【レビュー】自分にとっての「幸せとは?」を考えさせられた。

この作品は物語として面白いだけでなく、自己啓発本のように、自分自身を見つめ直させられる場面が多々あります。

しきりに出てくる「幸せとは?」「人生とは?」というキーワードは、小学生が主人公の小説とは思えません汗

 

読み進めながら、僕も幸せを考えました。

一番共感したのは桐生くんのセリフです。

「僕の、幸せは」

「うん」

「僕の絵を好きだって言ってくれる友達が、隣の席に座っていることです」

この場面、ぼろ泣きでした。

単純に「絵を書くこと」と言わない!期待を超えてきた!桐生くうううん!!

 

文章を書く人間として、僕も心得ないと。

書くことは「楽しい」けれど、「幸せ」となると、文章を好きだと言ってくれる人がいることなのかもしれません。

その意味では、まだ幸せになれないなー。

 

まだ読んでいない人のために見所!

この小説の見所はレビュー欄でも書いた通り、自分の幸せや人生を見つめ直せること。

登場人物の様々な「幸せ」や「人生」にまつわる価値観に触れられます。

そこが僕の「涙ポイント」でもありますし、自分と同じ幸せの価値観を持っている人は誰か、考えながら読むのもオススメです。

 

住野よる作品は読みやすくて面白いです。是非ともお試しあれ〜。

 

▼住野よるさんのデビュー作。『君の膵臓をたべたい』のレビューはこちら。

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