住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』の感想!みんなちがって、みんないい。

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住野よるさんの最新刊『か「」く「」し「」ご「」と「』を読みました!

デビュー作『君の膵臓をたべたい』で号泣して以来、ハマりにハマっている住野よるさん。

今作は、これまで通りの「すみよるエッセンス」を感じさせつつ、ファンタジー・青春色が強くなった新感覚の作品でした。

住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』の概要・あらすじ

『か「」く「」し「」ご「」と「』は、住野よるさん4作目の小説。2015,16年に「小説新潮」に掲載されていた連作短編です。

ちなみに読みはそのまま「かくしごと」で、最後の「までが正式なタイトルです!

まずは公式HPより、あらすじを引用!

きっと誰もが持っている、自分だけの「かくしごと」。

みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。別になんの役にも立たないけれど、そのせいで最近、君のことが気になって仕方ないんだ――。

クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。

ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、眩しくて時に切ない、共感度 1の青春小説!

引用:か「」く「」し「」ご「」と「 | 新潮社

舞台は、高校のとあるクラス。仲良しグループの5人は、誰にも言えない「特殊能力」をそれぞれ持っています。

彼らは相手の気持ちを探りながら、複雑な青春時代を過ごします。学祭や修学旅行など、学校イベントで揺れ動く感情に注目!

▼公式PVはこちら!

以下、ネタバレ含みますので注意!

章ごとに主人公が入れ替わる!

物語の登場人物は、クラスメイトで仲良しグループの男女5人。全体が5章で構成されてて、各章で語り手が入れ替わります。

5人それぞれが、相手の気持ちを読み取る特殊能力を持っているのがポイントです!

1章:か、く。し!ご?と

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1章の主人公は、内気男子な京くん。相手の頭の上に「!」や「?」といった感情を表す記号が見える能力があります。

2章の主人公、ミッキーに恋をしてるのですが、自分に自信が持てず、なかなか近づけないでいるんですね。個人的に、めちゃくちゃ感情移入してしまったキャラクターです。

2章:か/く\し=ご*と

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2章の主人公は、おてんば女子のミッキー。クラスのムードーメーカーで、相手の心臓のあたりに、揺れ動く感情のバーが見えます。

明るい性格を武器に、学校祭のヒーローショーでも主人公に名乗り出るのですが…。こういう子ほど、進路に悩んでたりプレッシャーに弱かったりするんだよなぁ。わかる。

3章:か1く2し3ご4と

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3章の主人公は、リーダー気質なのにどこか抜けた一面のあるパラ。相手の鼓動のリズムを聞き取れる能力を持っています。

「本当の自分」と「みんなの前の自分」のギャップを感じていて、少し冷めた性格をしています。そんな彼女には、修学旅行中にとある事件が起きてしまうんですね…。

4章:か♠︎く♢し♣︎ご♡と

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4章の主人公は、頼れる体育会系男子のヅカ。相手の頭の上に、喜怒哀楽を表すトランプマークが見える能力を持っています。

4章では5人でお花見に出かけるのですが、エル(5章の主人公)の頭に巨大な「哀しみのクローバー」が浮かんでいることに気付きます。ヅカは自分に何かできないかと模索するんです。

5章:か↓く←し↑ご→と

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5章の主人公は、内向的な女の子のエルちゃん。相手の恋心が矢印となって見えてしまう特殊能力を持っています。

1章では不登校となっていたものの、4人と仲良くなることで少しずつ学校生活にも馴染んできた様子。5章ではついに、京とミッキーの恋に進展があったりなかったり!!

住野よる『かくしごと』の感想!

①内向的・外交的の描写が見事!

住野よる作品の特徴の1つが、内向的・外向的な性格の人を対照的に描くことです。

『君の膵臓をたべたい』では、内向男子と外向女子の恋愛を描いてましたけど、今回も個性豊かな性格のキャラが出てきて楽しい。

気に入ったシーンです。1章の京のセリフ。

分かる。憧れてしまうんだ。僕や宮里さんのように、色々なことに気を遣いながら生きていると、それらを全部ぶっとばす太陽と北風を全部混ぜ込んで、旅人の憂いや不安を力ずくでひっぺがすようなあのパワーに。

こちらは4章のヅカのセリフ。

本当はちゃんと傷つきたかったんだ。どういうふうに考えたらよかったのか。それを、エルに学ぼうとした。全てを自分と結び付けて考えてしまう心を持ってるエルに。 

内気な人は社交的な人に憧れるし、反対に、社交的な人は内気な人に憧れる…。

住野よるさんの作品を読むたびに「みんなちがって、みんないい」って感じます。

②ファンタジー・くだらなさが良い

もう1つの特徴が、遊び心です。たまに笑える要素があるのが「すみよるワールド」です。

「そっかー、マジかぁ、マジかぁ、そっかー!」

次はソッカーマジカー星人になったヅカの頭上には句点とビックリマークの山。驚きと納得の重ね焼き。

物語はファンタジー要素があって、「特殊能力」が何度も登場しますけど、SF的クドさはないです。あくまでも物語のスパイスなんです。

「遊び心」があるおかげで、読んでいて全く飽きないんですよね。

③高校時代を思い出した!

読みながら「高校時代ってこんな感じだなぁ」と、思わされました。

特殊能力はなくとも、相手の気持ちを探ろうと必死だし、恋をしたり友達ができたり仲違いしたり…。様々な思い出が蘇りました。

まとめ

読んでいてとっても楽しい小説でした!!

所々で「ぷっ」と笑ってしまう場面があったり、自分の過去を思い出したり…。小説を読んでいるときは、本当に幸せだな〜。

懐かしさに、何度もキュンとしました。

追記:スペシャルストーリーの答え

紙の本でかくしごとを購入した方は、背表紙にあるQRコードで、5人のスペシャルストーリーも読めます!

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ただ、ストーリーを読むにはクイズに答えないといけません。このクイズが地味に難して苦労してるんじゃないかと思います。

ここでこっそり答え合わせします。ギブアップの人は「」の中をドラックしてください!白文字で答え書いてます。

  • Q1.「ネギ
  • Q2.「唐揚げ
  • Q3.「
  • Q4.「缶コーヒー
  • Q5.「

エルのスペシャルストーリー好きだなぁ。

▼住野よるさんの他の作品についてはこちら!

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