原田マハ『生きるぼくら』の感想 / 泥臭く生きる引きこもりに涙!

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原田マハ『生きるぼくら』を読みました。

原田マハさんは『本日は、お日柄もよく』から読み始めました。初っ端から号泣した衝撃の作品だったので、今回2冊目に挑戦です。

いやーしかし、『生きるぼくら』も号泣でした…。カフェで鼻水ベチョベチョです。 

 

『生きるぼくら』のあらすじ

『生きるぼくら』は2012年に発売した原田マハさんの小説です。

以下、あらすじ。

いじめを受け、ひきこもりだった麻生人生。蓼科でひとりぐらしを続ける人生の祖母、中村真麻。対人恐怖症の中村つぼみ。田んぼから三人は前をむいて歩み始めた―。収穫のとき、それぞれの心に温もりが実る。

主人公の麻生人生は引きこもりの青年。

壮絶ないじめを受けた学生時代の中で心を閉ざし、母に依存して生活してました。しかしある日、母が手紙を残して失踪してしまいます。

途方にくれた人生は、祖母の住む村を訪ねます。腹違いの兄弟つぼみと祖母の3人での生活仕事や米作りを通して成長する物語です。

 

以下、ネタバレありです。

『生きるぼくら』の感想

2日、トータル5時間ほどで読めました。

感想は、「前半は引きこもり・いじめがリアルすぎて見てられなくて、後半は人の愛情に涙しすぎて見てれなかった」です。

ようするに終始見ていられないほど、リアルで感動的な小説でした。

 

泣けた場面

  • ■人生が帰りかけた時、つぼみが車で待ってくれていた場面
  • ■「俺がいるだろ」と人生がつぼみに声をかけた場面
  • ■「あの子は俺の大切な人です」と人生がおばあちゃんに声をかけた場面
  • ■お母さんに「生きるぼくら」の写メールを転送した場面
  • ■お母さんの元に向かう際、お世話になってくれた人が送り出してくれた場面

個人的に、つぼみが女性としてタイプすぎて感情移入しまくりました笑

強気だけど、弱い所があるツンデレな女の子は最高だ〜。不器用な人生くんと、強気なつぼみの心が近づく様子はドキドキでした。

人生くんが社会に参加していって、最終的にはたくさんの人に囲まれたのは素敵だったなぁ。写メ見たお母さん…嬉しかっただろうな。

 

印象に残った場面

涙・感動とは別に、印象に残った場面は純平くんとのやりとりの場面ですね。

農作業を手伝った後の純平セリフ。

「だってさあ。めんどくせえんだよ、この田植え。田植機も使わねーしさ。いちいち苗をつまんで地面掘って埋めて……こんな地べたを這うような仕事、そもそもおれに向いてねーんだよ。おれは、もっとこう、上昇志向なの。東証一部上場の企業とかじゃなきゃ働く気になんねーの。東京のど真ん中の、でっかいビルに本社があるような会社に、かっけえスーツ着て通勤すんの。こんな泥臭い作業なんかおれには……」

この後、純平君は殴られて東京帰りました。

 

僕は純平くんに共感する部分があります。

プライドが高くて、自分が特別な存在だと信じていたい。他の誰にもできないことをやりたい。何かしら一流の人間でありたい。

就活の時は強く思っていたし、今でも少なからず同じようなこと思ってます。

 

そんな中、純平くんのお父さんは、派遣社員で祖母に居候してる人生にこう言います。

「君は正社員じゃなくて、派遣社員だ。だけど、仕事を誠実にこなしている。トイレも床も、気持ちよくきれいにしてくれて、お年寄りは皆喜んでいる。君を孫のように思っている人もいる。だから、現場の人間は君を高く評価している。そして、君の会社の社長さんも、君をとても信用している。失礼だけど、君は大学を出ていない。それでも、君は……君は、立派じゃないか」

君は「立派」じゃないか。 

「立派」…ってなんだろう?

 

純平くんが考えるように、一流企業で勤めるのが立派?結婚して家庭を持つのが立派?

人生くんのように、派遣でも一生懸命頑張るのが立派?周りに必要とされるのが立派? 

 

僕は社会人1年目、半年足らずに会社を辞めました。今はブログを書きつつ、なんとか自立してノホホンと生きてます。純平くんの「立派」にはなれなそうです。

でも、僕は人生の姿が「立派」だと思います。

人生のように「自分の周りに人が集まっている」のが「立派」な姿なんじゃないかな。

立派って地位とか名誉じゃないな。

まだまだ修行しないとダメだ。

 

 

引きこもりでもいい。

エリートの道から外れてもいい。

自分の周りに人がいて、その人たちを大切にできれば、「立派」で「幸せ」です。

泥臭く、泥臭く。

 

生きるぼくら。